厭世思考

自分の厭世観、思考記録メモ

「家庭の廃棄食材・食品ロスをなくすレシピ」という効果の薄そうな取り組みでいいのか

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WBSで「家庭の廃棄食材・食品ロスをなくすレシピ」をクックパッドなど各社が考案していると聞いた。

レシピだけ提示されても根本的解決にはならないと思うのだが、食品ロスをなくすのってそんな方向でよかったのだろうか。

食品ロスについて

「食品ロス」が日本では年間約632万トンにも上ります。
これを日本人1人当たりに換算すると、毎日お茶碗約1杯分(約136g)のご飯の量を捨てていることになります。

もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

だそうだ。

日本の食料自給率は現在39%(平成27年度)で、大半を輸入に頼っていますが、その一方で、食べられる食料を大量に捨てているという現実があるのです。もったいないと思いませんか。

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はい。

それで、WBSで「家庭の廃棄食材・食品ロスをなくすレシピ」をクックパッド消費者庁など40チームが連携して考案しているらしい。

レシピ出すだけで根本的解決に至るとは思えない

正直「レシピ出されてもなぁ」と思った。

地域の取り組みで炊き出しやイベントを行うレベルならともかく、本気で環境に配慮したいと憂慮するレベルの話なら、「レシピ考案」は多分薄い効果しか得られないのではと推測する。

まあ、「食品ロスについてもっと知ってもらえれば」という主旨だったようなのでそもそも根本的解決を目指してはいないのだろうが。企業側にとってはいい宣伝になるだろうしそういう裏メリットがあるのだろう。

人はめんどくさがりな生き物+現代人はヒマではない

さて、もっと現場に即した考え方をしてみたいと思う。

世間の大半を占めるいわゆる「中流層」はヒマではない。仕事に追われ、家事に追われ、子育てに追われ、人間関係に追われ、オシャレして他人と差をつけるのに追われ、合間にSNSをやっては要らない情報に踊らされて心まで病んでいる。社会人であれば「働き方改革」「ワーク・ライフ・バランス」などと言われている昨今、男女問わずコンビニ弁当で済ます人もかなり多いはずだ。

そんな疲れ切った時代の中で「廃棄食材レシピ」とか出されても、正直そこまでは面倒でほとんどの人がやらないだろう。そんなにヒマではないのだから。

SNSインフルエンサーや意識の高いアーリーアダプター的な人、あるいは料理教室が少し手をつけてそこからファンや生徒に少し降りてくるかもしれないが、一般家庭全般がスマホ並の普及率にはならない。一度は興味を示してもずっとは続かない。

それが利便性に飢えた先進国の民だ。

「工夫」ではなく「システム変革」を

なんせ、日本のこまごました折り紙的「工夫」レベルでは人間の利便性を希求して手間を抑えたい欲はなくせないので、欧米欧米と言うならあちらのように「システム」レベルで根本からすげ替えないと恐らく大きな成果はまず得られないだろう。

特にこんなクソ忙しい状況でゆっくり廃棄部分まで調理しようなんて奥様方、そんなにいるとは思えないが。専業主婦も減っているし。

最初から可食部だけを売ればいい

本当にマジのガチで廃棄食材をなくしたいと思っているなら、最初から可食部だけを売ればいいはずだ。家庭に切ったり洗ったり面倒な部分を任せる余地を作るから「農薬ついてる」と言ってキャベツの表面捨てるわけだし、実際自分も捨てている。

ただし、人参や玉ねぎなどの皮は付けずに売ると劣化するので仕方ない。このあたりはどうせ基本食べないので問題もないだろう。

調理の際での、野菜の皮剥きや肉の脂身を取り除きなど、食べられる部分を過剰に捨てていることも食品ロスの原因になっています。

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いやいや、「野菜の皮剥きや肉の脂身を取り除き」。その廃棄食材になりうるけれど食べられる箇所こそ調理がぶっちゃけ面倒な部分なので、こっちこそ正直プロにやってほしいのだが。

洗ってあるじゃがいもや冷凍ブロッコリーなど、そのまま加熱して食える商品のなんとラクなことか。

廃棄食材レシピは企業向けに考案してほしい

家庭ではどうせやらないと見切って、食品工場やなんやで先程の企業チームで考案したレシピを使い、新たに「廃棄食材使ってますエコ商品」として売り出せばいいではないか。スムージーでもざく切り野菜のごった煮でも。

(じゃがいもの皮をむく時にとれてしまう可食部とか、家庭で上手く処理するのは難しいので。フードプロセッサーとかどの家庭にもあるわけではないし)

そうすれば「じゃあこっちにしよう」と買う主婦も増えるだろう。最近はエコバッグ持っていくほど環境に配慮している人も多いし。
家庭で各々に処理させるより、大分社会的に普及できそうだと思うが。

まあそれをやって廃棄部分使いました系の商品が並んだ結果、スーパーに出荷する新規食材が減って損する農家とかいるのかもしれないけど。そのあたりの需給を考えるとできないってことなんだろうか。結局「環境問題取り組んでますよポーズ」しか見せられない裏が何かあるのかもしれない。

糖質制限やダイエット・メタボ対策ブームに乗っかれ

余談。

何十年もダイエットの話は消えないものだが、ダイエット指向者が行う「食べられる部分を過剰に捨てている」の中に「肉の脂身を取り除き」が含まれているなら、一部の肉はパッケージング前に脂身を全部捨ててから出荷し、「脂身とっちゃいました!」みたいな目立つシールでも貼っておけばそっちを買うダイエッターが新たに増えるだろう。

食品ロスが飛躍的に減るといいね

家庭に任せるのではなく企業や政府側がコントロールした方がこの問題に関しては早く解決するだろう。

まずは工場で加工する段階で、廃棄食材部分を再回収して利用するシステムに改善。そして出来上がった廃棄食材食品を加工やコンセプトづくりの段階で上手くターゲットに合わせて「エコ」や「ダイエット」を謳ってゾーン分けしてしまう。こういうのは既にどの企業もやっているはず。同じようにすれば食品ロスも防げて新たな需要も生み出せるのではないかということだ。

効果の薄い中途半端な取り組みを見せるより、よっぽど支持を得られるだろう。